この仕事をしていると、思わぬ出逢いをすることが数多くあります。
最近も、幻の大名品に出逢うことができました。
これまた阿波モノで、とってもマニアックな方の作品なのです。
矢野伊章(1785-1840)
ご存じの方はいらっしゃるでしょうか(笑)
一説にはあの写楽と同一人物だといわれていた矢野栄教の息子です。
父親と同様、狩野派を学んだ藩絵師ですが、遺作は非常に少なかったとされています。
県下にはたった1点のみ、柿人麻呂の歌仙図が鳴門市の個人宅で確認されていただけでした。
それがこのたび、おそらく2点目であろう彼の作品に、ご縁あって出逢うことができたのです!
歌仙図の保存状態は非常に悪かったのに対し、それは細密に描かれた極彩色の北宋画で、彼の画風がうかがえる素晴らしい発見でした。
残念ながら写真を掲載することはできませんが、しかるべく方の元にお嫁にいくことでしょう。
どうか大切に、後世へと継がれていくことを願っています。